2023年9月19日火曜日

新科目「公共」をめぐって〜「職業選択」と「雇用と労働問題」の主題から

 第47回労働教育研究会

日時:2023年9月16日(土)15:00~14:30
場所:zoom
報告:
鈴木隆弘さん(高千穂大学)                          主催:労働教育研究会、明治大学労働教育メディア研究センター、法政大学フェアレイバー研究所

新科目「公共」が始まって1年半が経過しました。

 「公共」の教科書を見る限り、ほとんどの会社の教科書の本文記述はこれまでと類似しており、一見「現代社会」とは変化がないようにも見えます。一方で「公共」のねらいは、「知識注入型の一方的な授業ではなく、生徒が学ぶ主体となる教育を作っていこうという取り組み」であり、「高校生を社会を担う主体にどう育てていくかを主軸にした教育へと改革」するための科目であるという指摘もあります。(倉石寛「『公共』は何を目指すか:「現代社会」を超えて」https://www.kyoiku-tosho.co.jp/news_list/3864/)

 今回は、学習指導要領において「現実社会の諸課題に関わる具体的な主題」として示されている「(ウ)職業選択,雇用と労働問題」を中心に、本格化する「公共」実践の在り方について、教科書を元に検討していきたいと考えています。
 「公共」については、高等学校2年生までに終えることが求められていますが、それゆえに配当学年に変化が生じ、実施時期(学年)が地域・学校ごとに大きく異なってきています。各地域・学校・学校種における実践の違いと留意点などについても触れることができたらと考えています。 

 

2023年7月28日金曜日

ワークルール授業のケース・スタディ〜「現代の国語」

 第46回労働教育研究会

日時:2023年7月27日(木)14:30~16:30
場所:神奈川県高等学校教育会館&zoom
報告:
成田恭子さん(神奈川県立追浜高校・定時制教員)                         主催:労働教育研究会、明治大学労働教育メディア研究センター、法政大学フェアレイバー研究所

高校では、2020年から新カリキュラムがスタートしました。公共など新科目に社会の耳目が集まっています。その中で国語科も大きな内容改編がありました。必修の「現代の国語」や選択の「論理国語」で実用的な文章が取り扱われることとなったからです。実用的な文章とは、法律や契約書や取扱説明書だと言います。法律を国語として読むとはどういうことなのか、そして活用するとは・・・・・労働基準法を生徒ととともに読んでみました。多くの方と考えてみたいと思っています。また、生徒たち自身が自分たち学校の生徒のアルバイトの実態を調査し、リポートを作成しました。自分たちの環境を自分たちで改善していく力になってくれればいいと思っています。
 

2023年6月13日火曜日

技能実習制度の廃止で問題は解決するのか?

 第45回労働教育研究会

日時:2023年6月13日(月)15:00~16:30
場所:zoom
報告:
旗手明さん(移住者と連帯する全国ネットワーク)                          主催:労働教育研究会、明治大学労働教育メディア研究センター、法政大学フェアレイバー研究所

「技能実習制度」は今後、どのように変わるのか? 昨年11月に、政府の「有識者会議」が設置されて以来、議論が続いている。
今年4月に公表された中間報告書(たたき台)では、長時間労働や賃金の未払いなどのトラブルのほか、職場での暴力といった人権侵害の訴えが絶えない同制度を廃止して、「人材確保と人材育成を目的とする新たな制度の創設を検討すべき」としている。
しかし、この問題に取り組んできた専門家や活動家からは、廃止後の新しい制度においても、技能実習制度と同様の人権侵害が再び起きるのではないか、という懸念があがっている。
長年にわたりこの問題に取り組んできた講師が、最新の動きについて報告する。